2023年民法の改正点
民法907条1項は、「共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。」と規定しており、今までは、遺産分割に期限はありませんでした。
しかしながら、令和3年度の改正によって、以下の規定が新設されました。
一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由があった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割請求をしたとき。 民法904条の3
このような改正により、令和5年4月1日より、原則、相続開始(被相続人の死亡)時から10年を経過した後では、遺産分割は、具体的相続分ではなく、法定相続分(又は指定相続分)によることとなりました。
そして、10年経過後に、具体的相続分で遺産分割を行うためには、相続開始(被相続人の死亡)時から10年を経過する前に、家庭裁判所に遺産分割の請求をする必要があります。
10年の期間満了前6か月以内の間に、遺産分割を請求することができないやむを得ない事由があった場合には、その事由が消滅した時から6か月を経過する前まで、期間が延長されることもあります。
遺産分割への影響
では、相続開始(被相続人の死亡)時から10年が経ってしまうと、遺産分割にどのような影響があるのでしょうか。
相続開始(被相続人の死亡)時から10年が経過する前において、遺産分割は、特別受益や寄与分を算定した後に、法律に定められた相続分(法定相続分)又は遺言で定められた相続分(指定相続分)にしたがって、行われることとなります。この方法によって定められる相続分を具体的相続分といいます。
特別受益と寄与分について詳細はこちらしかしながら、相続開始(被相続人の死亡)時から10年が経過すると、特別受益や寄与分を算定せずに、法定相続分又は指定相続分にしたがって、行われることとなります。
すなわち、特別受益や寄与分があったとしても考慮されなくなり、相続人によっては、本来相続できるはずであった遺産を相続できなくなってしまう可能性があります。
例外的に、相続人全員が具体的相続分による遺産分割をすることに合意したケースでは、具体的相続分による遺産分割が可能となります。しかしながら、具体的相続分による遺産分割に合意することによって、不利益を被る相続人が現れます。従いまして、このような合意をすることは、期待できません。
他の相続人が被相続人に自宅を買ってもらっていたり、被相続人の家業に従事して財産を増やしていたりしたことはありませんか。
このような場合には、遺産分割を後回しにせず、すぐに始めましょう。
また、令和5年4月1日時点で、相続開始(被相続人の死亡)時から、既に5年以上経過している場合には、令和10年3月31日までに家庭裁判所に遺産分割請求をしなければなりません。
従いまして、相続開始(被相続人の死亡)時が、改正前であっても安心せず、5年以内に家庭裁判所に遺産分割請求をしなければなりません。
画像の引用元:具体的相続分による遺産分割の時的限界②(経過措置)
弁護士への相続の相談をご検討されている方へ
以上の次第で、10年以内に、家庭裁判所に遺産分割請求しなければ、特別受益や寄与分を考慮してもらえません。
家庭裁判所に遺産分割請求をするためには、時間と労力がかかります。それだけでなく、遺産分割請求をして、遺産分割調停となった後も、最低でも6か月程度は、時間がかかってしまいます。
- 不動産の価値が不動産を取得したい人の法定相続分を上回っているので、他の相続人が納得しない
- 遺産分割協議書の作成や登記変更のための書類集めが大変
- 疎遠な相続人がいて話し合いが進まない
- 不動産の登記名義が以前の相続の際に変更されておらず、相続関係が複雑になっている
上記のような理由で、相続の手続や遺産分割が止まってしまっているということがおありかと思います。
そこで、弁護士に手続を依頼することで、比較的短期間で解決できる可能性が高まり、あなたの貴重な時間が奪われずに済みます。
また、特別受益や寄与分の判断は難しく、見逃している特別受益や寄与分があるかもしれません。遺産分割協議の段階から弁護士にご相談いただくことで、そのような見逃しを防ぐことができます。
初回相談を利用して弁護士松田に是非ご相談ください
弁護士の松田です。 相続は、ご一族が紡いでこられた物語の中間決算であり、この先も物語は続いていくものです。 |
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