預金の使い込みを疑われたが弁護士に依頼し無事に遺産分割を成立させた事例

依頼者情報

依頼者:被相続人の長男

相手方:被相続人の長女・二女

争点別:使途不明金のある遺産分割

遺産額:7000万円

遺産の種類:不動産(土地・建物)、預貯金

解決期間:6か月

 

事案の内容

依頼者の母親(被相続人)が亡くなり、遺言書はありませんでした。

 

遺産としては、不動産(土地・建物)と、預貯金がありましたが、預貯金については、被相続人の生前に、依頼者がその管理を委ねられて、その管理をしていました。

 

相続が発生した後で、預貯金の取引履歴を確認したと思われる相手方の弁護士から、使途不明金に関する通知書が届いたということで、当事務所にご相談いただくことになりました。

 

当事務所の活動内容

預貯金の取引履歴と、出金した金額の使途を確認したところ、悪意を持って流用したというようなことではないにせよ、確かに、管理が厳密ではなかったところがあるようでした。

依頼者も、一部のお金を被相続人以外のために使ってしまったことがあることは認めておられました。

 

そこで、出金した金額の使途を、できる限り裏付け資料とともに明らかにしたうえで、残額については現金として管理している、という内容の資料を作成して、相手方に対する説明を行いました。

 

結果

当方からの説明を受けて、相手方も納得し、法的手続に発展することなどもなく、当方から説明した「残額」を前提として法定相続分どおりに分割するという内容で、遺産分割協議を成立させることができました。

 

事件解決のポイント

相続にあたっては、使途不明金が問題になることがあります。

この点について他の相続人から不審に思われてしまった場合、法的手続に発展してしまい、膨大な時間や手間がかかるということがあります。

このような場合には、曖昧な説明やごまかしをすることなく、口座から出金されている金額の使途を、できる限り裏付け資料とともに明らかにして説明することで、相手方のアドバイザーに、法的手続に移行しても意味がないと判断させることがポイントになります。