公正証書遺言どおり内縁の妻が遺産を全て取得することが出来た事例

依頼者情報

依頼者:被相続人の内縁の妻

相手方:被相続人の戸籍上の妻

争点別:遺言書の検認、遺言執行

遺産額:3000万円

遺産の種類:不動産、預貯金

解決期間:4か月

 

事案の内容

依頼者は、10年以上にわたって、被相続人と生活を共にしてきました。ところが、被相続人には、30年以上別居している戸籍上の妻がいました。

被相続人は、人間関係の希薄な戸籍上の妻ではなく、依頼者にすべての遺産が渡るように、2通の遺言書を作成していました。1通は公正証書遺言で、すべての遺産を依頼者に譲るというシンプルなもので、もう1通は自筆証書遺言で、依頼者にすべての遺産を譲ることとした理由が切々と綴られていました。

依頼者は、被相続人の死後にこれらの遺言の存在を知りましたが、今後どのような手続が必要かが分からないとのことで、当事務所に相談に来られました。

 

当事務所の活動内容

本件では、被相続人の妻が遺言の存在を無視し、戸籍謄本を使って遺産の名義を変更してしまうおそれがありました。そこで当事務所は、直ちに戸籍上の妻に内容証明郵便による通知を発送し、遺言書の存在を知らせ、遺産の名義を変更しないように警告をしました。

そのうえで、遺言執行者に就任した依頼者の代理人として、速やかに遺産の名義書換を行うと共に、遺言執行者の義務である財産目録を作成して、相続人に送付ました。

また、自筆証書遺言については、家庭裁判所に対して検認の申立てを行いました。

 

結果

公正証書遺言のとおり、すべての遺産を依頼者が取得することができました。また、検認済みの自筆証書遺言に記載されていた内容が心理的な効果を発揮して、遺留分減殺請求は行われませんでした。

 

事件処理のポイント

民法上、自筆証書遺言を発見した者は、家庭裁判所で検認を受けなければなりませんが、これを行わない例が数多く見られます。また、民法上、遺言執行者は財産目録を作成して相続人に交付しなければなりませんが、これも遵守されない例が数多く見られます。

弁護士に依頼することで、法的手続を遺脱なく進めることができます。遺言を発見されたときは、ぜひ当事務所にご相談ください。