遺言無効を主張して法定相続分どおりに分割する内容で調停を成立させた事例

依頼者情報

依頼者:被相続人(父)の二男

相手方:依頼者の兄

争点別:遺言無効、遺産分割

遺産額:数億円

遺産の種類:不動産、預貯金、書画骨董類

解決期間:約1年

 

事案の内容

依頼者の父(被相続人)が亡くなり、法定相続人は依頼者と兄(相手方)の2人でした。遺言としては、相手方に多くの遺産を相続させる旨の自筆証書遺言が存在しました。しかし、遺言書の作成当時、被相続人は既に認知症の診断を受けていたことから、遺言の有効性には疑問がありました

 

当事務所の活動内容

この遺言は、認知症の診断を受けた直後に相手方が無理矢理作成させたものであることは、状況的に明らかでした。そこで、この点を強く主張した結果、相手方も遺言が無効であることを認めるに至りました

 

しかし、相手方は自分が長男であることを理由に、実家の不動産を含め、法定相続分以上の取り分を主張して譲らなかったため、当方より遺産分割の調停を申し立てました。

 

結果

不動産の評価や不動産の分割方法、収益不動産の賃料収入の清算や高価な書画骨董類の取り扱いなど様々な争点がありましたが、最終的には不動産を含め、ほぼ法定相続分どおりに分割する内容で調停成立となりました

 

事件処理のポイント

当初、相手方本人と直接交渉しましたが、まったく譲歩が見られず、書類のやりとりにもかなり時間がかかっていました。

しかし、遺産分割調停を申し立てた結果、相手方に代理人弁護士が就き、調停期日が定期的に入って、書面の提出期限も守られるようになりました。

裁判所での手続きということで抵抗がある方もおられますが、本件は調停を申し立てたことによって交渉がスムーズに行えるようになり、比較的早期に事件解決できた事案といえます。