依頼者情報
依頼者:被相続人の二男
相手方:依頼者の兄
争点別:遺留分を請求したい
遺産額:数千万円
遺産の種類:預金
解決期間:約2年
事案の内容
依頼者の父(被相続人)が、全財産を長男(相手方)に相続させるという遺言を残して亡くなりました。依頼者は10年以上前に相手方と大きな喧嘩をしたことがきっかけで被相続人とも絶縁状態になっており、この遺言の存在はもちろん被相続人が死んだことすら何年もの間知らされずにいました。
当事務所の活動内容
相手方は、被相続人を10年以上にわたって囲い込んでしまっていたため、依頼者には遺産の全体像を把握できておらず、預貯金や生命保険契約の存在については、ほとんど手掛かりがありませんでした。
そこで、弁護士会を通じて金融機関各社に照会をかけるなどして遺産をできるだけ調査し、遺留分を請求する訴訟を提起しました。
結果
調査によって判明した預金口座の資金の流れを辿る中で、相手方が被相続人の生前、多額の預金を引き出していることがわかりましたので、これについても返還を求めました。
一方、相手方からは、大学進学費用が特別受益に当たるなどの古い事実関係が主張されました。
当事者間の長年の感情的な対立もあって和解は困難とも思われましたが、裁判官を間に立てて交渉した結果、依頼者の納得のいく和解が成立しました。
事件処理のポイント
本件のように相続についてまったく手がかりがないという事案も少なくありません。その場合は、念のため公正証書遺言の有無を検索するところから始めます。
本件でも予め公正証書遺言を入手して財産調査にも時間をかけた結果、十分な準備・対策をした上で相手方との交渉に臨むことができました。