依頼者情報
依頼者:被相続人の妻
相手方:被相続人の長男、長女、二男
争点別:遺産分割
遺産額:数億円
遺産の種類:不動産、預貯金、株式(被相続人の経営会社)
解決期間:約6か月
事案の内容
依頼者の夫(被相続人)は、ある地方で有名な企業グループを統括する経営者でした。この夫が亡くなり、妻である依頼者と、子ども3人(相手方)が相続人となりました。遺言はありませんでした。
依頼者は、ご自身の健康と今後の生活に不安があり、できれば3人の息子のいずれかと同居したいとの希望を有しておられました。
また、息子3人が平等に企業グループの各組織と被相続人個人の財産を承継し、円満な形で遺産分割が出来るように力を貸して欲しいというご依頼でした。
当事務所の活動内容
問題は、相手方である3人の息子それぞれが、この企業グループの分割や再編について独自の思惑を持っており、その点を先に解決しようとすると長期化が避けられないと予想されたことです。また、遺産の額が大きかったことから、相続税の処理については、今回の相続に続いて依頼者を被相続人とする相続(第2次相続)のことも視野に入れることが必須でした。
当事務所は、提携関係にある税理士と密に連携し、すくみ合っている相手方3人に先んじて、大まかな方向性を示す遺産分割案を提案することとしました。
その際、
①第2次相続も視野に入れて無駄な相続税が発生しないようにする、
②依頼者の老後の生活が完全に守られるようにする、
③企業グループの再編方法については一切影響を与えないようにする、
という骨太の方針を採りました。そして、その方針に貫かれた分割案であることが、関係者全員に伝わるような工夫をして協議を進めました。
結果
基本的に当事務所が作成した骨太の遺産分割案について相続人全員の承認を得ることができ、詳細な財産の分割については、当事務所の分割案に具体的な肉付けしていく形で進みました。
これにより、大きな混乱なく相続税申告期間内に遺産分割協議が調い、無事に相続税の申告納付も済ませることが出来ました。
事件解決のポイント
相続財産の内容が複雑だったり、同時に考慮しなければならない要素が多い遺産分割協議では、初動が極めて重要になります。
話し合いのスタートが、相続人それぞれが自分の利益のみを考えた意見を主張するようなスタイルになると、協議が紛争に発展して長期化することが必至からです。
当事務所は、これまで多くの遺産分割に関与してきた経験から、ご依頼直後に、本件は上記のリスクを避けることが特に必要な事案であると判断することができました。
そして、最初の段階で、誰もが了解できる骨太の方針と、これに基づく遺産分割の枠組みについて承認を得たことによって、その後、関係者全員が疑心暗鬼に陥ることなくスムーズに分割協議を進めることができたものと思われます。