依頼者情報
依頼者:被相続人の二男
相手方:依頼者の兄
争点別:遺留分を請求された
遺産額:数億円
遺産の種類:不動産、預貯金、有価証券等
解決期間:約10か月
事案の内容
依頼者の母(被相続人)が、全財産を二男(依頼者)に相続させるという遺言を残して亡くなったため、兄(相手方)から遺留分減殺請求を受けた事案です。
当事務所の活動内容
被相続人には、相手方との間で長年にわたる確執がありました。そのため全財産を依頼者に相続させるという遺言を作成したのでした。しかし、それにとどまらず、依頼者の妻を養子にしていたため、相手方の遺留分が減少する結果となっていました。
相手方は、相続発生後に初めてこれらの事実を知り、かなりご立腹の様子で、交渉態度は著しく強硬でした。
当方としては、過去の出来事を持ち出していたずらに感情的対立をあおることのないように注意し、淡々と財産の評価を客観的に説明することに努めて交渉を進めました。
結果
遺言には、被相続人が、相手方から数億円の現金を騙し取られたことが示唆されていました。しかし、この主張を強くしすぎると交渉が決裂して訴訟に移行することは確実でした。
訴訟による解決の長期化を避け、早期に紛争を解決したいというのが依頼者の意向でもありましたので、粘り強く交渉を続け、比較的短期間に話し合いによる解決を図ることができました。
事件処理のポイント
紛争の背景には関係者間の確執の原因となる事件が多数存在していました。しかし、その大部分は相当昔の出来事であったため、それを証明する客観証拠を揃えることが困難で、その意味では訴訟には適さない事案と言えました。
このような事案の場合、万が一訴訟に移行した場合の勝訴の見込みを冷静に判断し、同時に、譲れないラインを見極めて交渉するのがポイントといえます。