依頼者情報
依頼者:被相続人の長男
相手方:被相続人の長女
争点別:遺留分を請求された
遺産額:7000万円
遺産の種類:不動産(土地・建物)
解決期間:2年
事案の内容
依頼者の父親(被相続人)が亡くなり、
依頼者(被相続人の長男)に、地方にある実家の土地建物を含め、遺産の多くを相続させる内容の公正証書遺言が残されていました。
この遺言は、相手方(被相続人の長女)の遺留分にも配慮した内容になっていました。しかし相手方は、過大な遺留分侵害額を主張して譲らず、依頼者に対して訴訟を提起してきました。
当事務所の活動内容
遺留分侵害額の計算では、複数の土地の評価が問題になっていました。
最も大きい問題は、借地権の有無でした(借地権が設定されている土地の価値は低くなります)。その他にも、道路面との高低差、接道方法、不整形性など、登記簿だけからはわからない減額要素がありました。
当事務所では、これらの専門性の高い問題について、協力関係にある不動産鑑定士の協力を得て、丁寧な主張立証を行いました。遠隔地にある現場にも出張し、実際に土地を見分して理解を深め、説得的な主張が出来るように活動しました。
また、この事案では、依頼者が相続する土地と相手方の自宅との境界にも言い分の食い違いがありました。この点についても相続問題の訴訟の中で、一挙に解決することが望まれました。
結果
遺留分侵害額については、ほぼ当方の主張が認められ、裁判所からは、それを前提とした和解を提案されることになりました。
土地の境界の問題も、当方が訴訟の当初から取り上げていたことから、裁判所もこの点を解決しなければ紛争全体の真の解決にならないという認識を持っていました。その結果、ひとつの訴訟の中で一挙に解決することができました。
事件解決のポイント
相続事件については、関連する紛争が存在することがあり、相手方が、本体部分については解決を求めているものの、関連する紛争については必ずしも解決に積極的ではないということがあります。
そのような場合は、本体部分についてきちんとした主張立証をして、有利な判断を得ることで、相手方としても、本体部分で利益を得られなかった分、関連する紛争の解決について少しでも利益を得ようと考えることになり、相手方が関連する紛争について一挙解決するインセンティブになることがあります。