依頼者の希望が実現し、多額の不動産売却代金を獲得することができた事例

依頼者情報

依頼者:被相続人の娘

相手方:被相続人の弟

争点別:相続後のトラブル(相続した土地の売却)

遺産額:3000万円

遺産の種類:不動産

解決期間:10か月

 

事案の内容

依頼者は、かなり昔の相続によって取得した土地AとBを所有していました。しかし、依頼者は、これらの土地を自分で活用することなく、長年放置していました。すると、最近になって突然、被相続人の弟(相手方)から、土地Aは自分が時効によって所有権を取得したとの主張がなされ、訴訟を提起されました。

 

依頼者は、土地Aを相手方に譲ってもよいと考えていましたが、これには条件がありました。依頼者は、以前から土地Bの売却を希望していましたが、土地Bには、ごく少ない割合ながら相手方の共有持分があり、これが売却の妨げとなっていました。そこで、依頼者は、土地Aを相手方に譲る交換条件として、土地Bの共有持分を無償で譲ってもらえないかと考えていたのです。

しかし、土地Bは、直接には訴訟の対象となっていないことから、そのようなことができるかどうか、当事務所に相談に来られました。

 

当事務所の活動内容

土地Bは、現在行われている訴訟の対象ではないことから、依頼者の希望を実現するためには、訴訟の中で和解を成立させ、その内容として依頼者の希望を盛り込む必要があります。そこで、訴訟では、相手方の時効取得の主張に対して強力な反論を展開しつつ、相手方の代理人と和解の交渉をしました。

また、依頼者の希望どおりの結果となった場合に、想定外の税金が課されることのないように、提携している税理士と相談しながら進めました。

 

結果

依頼者の希望通り、土地Aと引き換えに、土地Bの相手方共有持分を取得することができました。これにより依頼者は、土地Bを売却することにより、多額の売却代金を獲得することができました

 

事件処理のポイント

本件は、たとえ勝訴したとしても、依頼者の臨む全体解決には結びつかない事案でした。そこで、訴訟で説得的な主張を展開しつつも、相手方と柔軟に交渉することにより、訴訟の範囲にとどまらない全体的な解決につなげたことがポイントでした。

本件は、かつての詰めの甘い相続(遺産分割)による悩みごとが、ここに至ってようやく解決したともいえる結果でした。