回収見込みが薄いと言われた葬儀費用をアプローチを変えることで全額回収できた事例

依頼者情報

依頼者:被相続人の従兄弟

相手方:なし

争点別:相続財産管理人の選任申立て、特別縁故者に対する財産分与申立て

遺産額:3億円

遺産の種類:不動産、預貯金

解決期間:1年10か月

 

事案の内容

依頼者の従姉妹が、身寄りの無い状態で亡くなりましたが、法定相続人に該当する人は1人もいませんでした。

依頼者は、従姉妹と生前多少の交流があったことから、事態を放置することができず、やむなく高額の費用を立て替えて葬儀を執り行いました。

しかし、従姉妹の死亡により預金口座は凍結されてしまっており、立て替えた費用を回収することができなくなってしまいました。

依頼者は他の法律事務所にも相談されましたが、葬儀費用は相続債務ではないから、そもそも相続財産から支出することはできないだろうとの説明を受けたそうです。

依頼者は、セカンドオピニオンを得る目的で、当事務所へ相談にいらっしゃいました。

 

当事務所の活動内容

当事務所は、相続財産管理人の選任申立てを行い、相続財産の管理手続に協力したことへの謝礼金として、葬儀費用相当額の支払を受け取ることができるよう、裁判所・相続財産管理人と交渉しました

また、特別縁故者に対する財産分与の申立てを行い、葬儀費用とは別に、一定の金銭が支払われるよう裁判官・相続財産管理人と交渉しました。

 

結果

相続財産の管理手続に対する協力金として、立て替えた葬儀費用全額の支払を受けることができました。また、これとは別に、謝礼金として相当額が依頼者に支給されました。

依頼者は、そのようなつもりで葬儀を出したのではないと固辞されましたが、それまでの尽力からすれば受け取られて当然であると考えられる事案でした。

 

事件処理のポイント

形式的に考えれば、他の法律事務所が指摘するとおり、葬儀費用は相続債務にあたらないため、葬儀費用を相続財産から回収することは不可能な事案でした。しかしながら、相続債務ではなく、相続財産の管理手続に対する協力金という他のアプローチによって、葬儀費用相当額を回収したことがポイントでした。

 

また、依頼者と被相続人との関係性からは、依頼者は特別縁故者には当たらない事案でしたが、裁判所・相続財産管理人と交渉することで、葬儀費用とは別に謝礼金を受け取ることができました。

 

アプローチの仕方を変えることで、依頼者の臨む解決を実現することができます。当事務所では、30年近い実務経験の中で、さまざまなアプローチを蓄積してきました。お困り事は、ぜひ当事務所にご相談ください。