不誠実な対応をする相続人との交渉を代理し、依頼者の希望を実現させた事例

依頼者情報

依頼者:被相続人の二男の妻(代襲相続人である子の母親)

相手方:被相続人の長男

争点別:遺産分割、特別代理人選任申立て

遺産額:5000万円

遺産の種類:預貯金、不動産

解決期間:約半年

 

事案の内容

依頼者には未成年の子どもさんが3人おられましたが、夫(3人の子の父親)は、既に亡くなっていました。そのような状況で、亡夫の父親(被相続人)が亡くなりました。

このような場合、相続人は亡夫のお兄様(相手方)と、亡き夫の代襲相続人である3人の子どもさんとなります。そこで、子3人の母親(法定代理人)である依頼者と、相手方との間で遺産分割協議が行われました。

しかし、相手方は、不動産を取得する自分に有利になるように不動産の価格を固定資産税評価額(極めて低い価格)で評価したり、被相続人が死亡する直前に行われた多額の預金の引出しについて使途を説明しないなど、誠意ある交渉態度ではありませんでした。

そこで、依頼者は、遺産分割の交渉を当事務所へ依頼されました。

 

当事務所の活動内容

当事務所は、相手方に内容証明郵便を発送し、遺産分割協議では不動産を実勢価格(不動産が市場で取引される価格)で評価することが原則であると伝え、当事務所が取得した査定書の金額に基づいて遺産分割協議を行うよう求めました。

また、被相続人が死亡する直前の預金の引出しについても、資料を添付して使途を説明するよう要求しました。

 

結果

依頼者の希望通り、不動産の価格を実勢価格で評価して、遺産分割協議を締結することができました。また、被相続人が死亡する直前の預金の引出しについても、すべて使途の開示を受けることができました。

 

なお、遺産分割協議を進める際には、依頼者自身が未成年の子3人を同時に代理することはできません(形式的には利益相反が生じるため)。そこで、遺産分割協議の成立に疑義が生じないよう、未成年の子2人については、当事務所で、公正中立な特別代理人候補者の弁護士を紹介し、これを家庭裁判所で選任してもらったうえで遺産分割協議を調えました。

 

事件解決のポイント

遺産分割協議では、不動産を実勢価格によって評価することが一般的ですし、被相続人が亡くなる直前の預金の引出しについて使途の開示を求めることもおかしなことではありません。したがって、依頼者の希望はいずれも正当なものでしたが、当事者同士では感情的なわだかまりがあったのか、うまく協議がまとまりませんでした。

当事者同士では解決できないことでも、弁護士が介入することで一転して手続きが進むことがあります。手続を前に進めるため、ぜひ当事務所にご相談ください。