海外在住の依頼者と事前準備を丁寧に行ったことで遺産整理を円滑に行うことが出来た事例

依頼者情報

依頼者:被相続人の甥(代襲相続人)

相手方:なし

争点別:相続の事前準備・円満相続・相続登記

遺産額:約3000万円

遺産の種類:不動産

解決期間:約半年

 

事案の内容

依頼者は、海外に在住しておられる方でした。

日本国内でひとり暮らしをしている被相続人に万が一のことがあった場合、自分が唯一の相続人となるが、その時になって混乱しないように事前準備をしておきたい、とのご相談でした。

 

当事務所の活動内容

初回相談にいらしたときはまだ被相続人はご存命であり、最も重要な相続財産は都内の不動産とのことでした。

そこで、当事務所と提携関係にある司法書士を交え、相続が発生した場合に取るべき登記手続の段取りや必要書類一式について事前レクチャーいたしました。

また、それと同時に、海外在住の依頼者と当事務所との書類のデリバリー方法等の細かい点についてもあらかじめ取り決めておきました。

 

結果

初回相談から約半年して、依頼者より、被相続人が亡くなった旨の連絡がありました。

生前にあらかじめ、詳細なレクチャーをしておいたことで、相続発生後、依頼者からの連絡、残存していた担保権者(信用金庫)への連絡、不動産の相続登記等、まったく混乱なく、迅速に行うことができました。

 

事件処理のポイント

海外に住む相続人は、親族の訃報に接してもすぐに帰国することが困難であったり、また日本で行うべき手続を理解していなかったりしたために、相続手続が後手後手になってしまうケースが多くあります。

また、海外在住者の場合、相続登記に特殊な書類(在留証明や署名証明など)が必要になることがあり、国によってはこれらの書類取得に時間や手間がかかり、手続が難航することも少なくありません。

本件では、渉外登記手続に精通した司法書士と連携して、相続開始前にあらかじめシミュレーションをしておいたことで、依頼者も事前に現地大使館などを通じて書類を準備しておくことができ、スムースな相続手続を実現することができました