一見読みにくい遺言の有効性を丁寧に主張・立証し和解による解決を実現した事例

依頼者情報

依頼者:被相続人の長女

相手方:被相続人の長男・二男

争点別:遺言の有効・無効

遺産額:約5000万円

遺産の種類:預貯金・不動産等

解決期間:約1年

 

事案の内容

依頼者は、被相続人の長女でした。被相続人は、病床で書いたものと思われる自筆の遺言書を残しておられました。

遺言の内容は、被相続人の生前の言動を踏まえると、最も価値のある不動産を依頼者に相続させる、というものであると理解されましたが、文面が全体的に甚だしく震えた文字で記載されていたため、相手方は「この自筆証書遺言は無効である(内容が読めない)」として、遺言無効確認を請求してきました。

 

当事務所の活動内容

依頼者が持参された自筆証書遺言は、たしかに手を震わせながら必死に書いた形跡があり、はっきりは読み取れない箇所がほとんどでした。

しかし、生前の被相続人の性格や、依頼者との関係、遺言を書くに至ったきっかけなどを依頼者から丁寧に聞き取った結果、遺言書に込められた被相続人の遺志を読み取ることができたため、遺言の有効性を主張して応訴しました。

 

結果

一見読みにくい遺言について、どのように読み取れるかを、遺言の作成経過や「下書き」の存在を含めて丁寧に主張立証しました。その結果、一部読み取り可能であると裁判官の理解が得られ、和解による解決をすることができました。

 

事件処理のポイント

本件のように、遺言の有効・無効が争われる事件では、肝心の被相続人が亡くなってしまっている以上、生前の被相続人の行動や家族との関係など、間接的な事情の積み上げがポイントとなります。

 

当事務所は、遺言にかかわる事件をこれまで有効・無効いずれの立場でも数多く受任しており、遺言の有効(無効)を主張するためにどのような事実を積み上げればよいか、その事実をどのような証拠で立証すべきか等の分析能力に自信があります。まずは、お手元の遺言書をご持参のうえ、お気軽にご相談下さい。