判断能力が無い相続人との遺産分割を将来も見据えた内容で行った事例

依頼者情報

依頼者:被相続人の甥(代襲相続人)

争点別:遺言書の検認、遺言執行者選任、遺贈登記、成年後見

遺産額:数億円

遺産の種類:不動産、預貯金

 

事案の内容

被相続人はいわゆる独居老人でしたが、ある事故で突然亡くなりました。

法定相続人は先に死亡していた姉の子(代襲相続人=依頼者)と被相続人の妻の2人でした。

被相続人の妻は既に判断能力を喪失した状態で介護施設に入居していました。

被相続人は不動産については依頼者に相続させる旨の自筆証書遺言を残していました。

 

当事務所の活動内容

遺言書の検認申立てを行った後、遺言執行者を選任してもらい、不動産の遺贈登記を行いました。

また、被相続人に代わって、被相続人の妻の財産管理・身上監護を行う者が必要でした

被相続人の妻には実の兄弟がいましたが、かなり遠方に住んでいて日常的な交流もなかったため、成年後見を申立てることにしました。

 

結果

依頼者が成年後見人に選任され、被相続人の後を継いで、被相続人の妻の財産管理・身上監護を行うことになりました。

 

事件処理のポイント

多くの相続事件では様々な形での親族間の利害対立が大なり小なり存在しますが、本件ではそのような利害対立がほとんど見られませんでした。

しかし、相続による財産の分配が終わっても、その後の関係やの生活について不安が残る場合もあります。

相続案件を解決するにあたっては、財産の処理のほかにも、その後の関係者の生活を誰がどのように支えていくのかなど、考慮すべき要素が多々あります。本件は、経験豊富な専門家による、将来の展開を見据えたアドバイスの重要性が感じられる事案でした。