当事務所が公正証書遺言をおすすめする理由

当事務所では、遺言を作成される場合は、公正証書遺言にすることをお勧めしています。
遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、
法律的な見地から見て、もっとも効力を否定される可能性が低いものが、公正証書遺言です。そのため、当事務所では、これから作成する遺言はもちろん、既に出来上がっている遺言についても、改めて公正証書遺言の形式で作成し直すことをお勧めしています。

 

遺言作成の流れ

当事務所では、まず遺言を作成する依頼者の方がどのような相続を望んでいるのか、丁寧にヒアリングいたします。併せて、相続人の状況、財産の状況をお伺いし、どのような遺言を作成するのが依頼者の方にとってもっともよいか、法的見地からアドバイスさせていただきます。

また、遺言を作成される際に、相続税の節税についてもご検討されると良いでしょう。節税対策を知りたい方は、当事務所と提携している税理士から相続税のシミュレーションを提示させていただきます。その後、それらの全ての情報をもとに、弁護士が遺言書の内容・案文をご提案させていただきます。

もちろん、専門家に相談せずに遺言を作成することもできますが、依頼者の方・そして相続財産を受け取る方にとって最善の相続となるよう、当事務所は公正証書遺言を専門家と一緒に作成することをお勧めしております。

以下では公正証書遺言作成の際の細かな流れをご説明します。

 

1)相続人調査を行う

遺言を作成するに際して、相続人調査を行っていないケースがよくあります。「相続人なんか分かっている」と思われるかも知れませんが、想定外の相続人が出てくるケースもあるのです。その場合、遺言の効力に疑義が生じるため、まずは相続人調査をしなければなりません。
相続人の範囲を明らかにするために、遺言者が生まれてから遺言書作成時点までのすべての戸籍謄本を取得します。また、推定相続人全員の戸籍謄本も取得し、相続関係図を作成いたします。相続関係図を作成することで、法定相続の場合の相続分のシミュレーションを行うことができます。

 

2)相続財産調査を行う

相続人調査と並行して、相続財産調査を行います。多くの場合、財産のうち最も価値の高いものは不動産ですので、土地・建物の登記簿謄本を取得します。さらに、預貯金、株式、債権、負債等、すべての財産(マイナスの財産を含む)をリストアップします。

 

3) 法律に配慮して、遺産分割の方法を記載する

特定の相続人に遺産のすべてを相続させたい場合であっても、配偶者や子などは、遺留分という侵すことのできない権利を有しています。従って、遺言書を作成する場合、遺留分を侵害していないかどうかを考慮する必要があります。

 

4) 遺言執行者を指定する

遺言書は、作成するだけでなく、その内容が確実に執行されることが重要です。
当事務所に公正証書遺言の作成を依頼された場合、必ず当事務所の弁護士が執行者になり、その遺言内容を確実に実現します。

せっかく遺言を作成されるのであれば、確実にご遺志を実現されるように、専門家である弁護士にご相談の上、しっかりとした遺言を作成されることをお勧めいたします。

 

3種類の遺言書

ここでは、3種類の遺言書の作成方法についてご説明いたします。

 

【自筆証書遺言】

遺言者が、本文の全文・日付・氏名を自筆し、捺印したものです。代筆は認められません。
一見最も簡単ですし、費用もかかりませんので、手っ取り早いように思われるかも知れません。
しかし、専門家のチェックが入っていないことが多く、内容が不明確であるなどの理由から、相続人同士が揉めてしまうきっかけにもなりやすいです。他にも形式が誤っていることもよくあり、その結果せっかく書いた遺言が法律上無効となってしまうおそれもあります。
もし自筆証書遺言を作成される場合は、ご自分でしっかり準備をされて、不備なく作成することが重要です。

 

【公正証書遺言】

公正証書遺言とは、公証人に作成・保管してもらう遺言のことです。
遺言者は、あらかじめ、遺言の文案や戸籍謄本等の必要書類を公証人に提出し、公証人との間で遺言の内容を協議します。作成当日には、遺言者が、原則として公証役場に出向き、公証人に遺言の内容を口頭で告げ、公証人が、それが遺言者の真意であることを確認したうえ、これを文章にまとめたものを遺言者及び証人2名に読み聞かせ(または閲覧させ)て、内容に間違いがないことを確認し、遺言者と証人2人そして公証人が署名捺印します。
公正証書遺言は公証役場にその原本が保管されるため、紛失や悪意の破棄を防ぐことができます。また、事後的に内容を書き換えられることがなく、正しい遺言の内容を証明することができます。また家庭裁判所における検認手続も不要です。
基本的に形式などは専門家がチェックするため、公正証書遺言が発見された際に無効になるようなことは少なく、一番安全なものといえます。

 

【秘密証書遺言】

公正証書遺言と同じように公証役場で作成しますが、遺言書の内容を密封して、公証人も内容を確認できないところが違います。
秘密証書遺言は内容を秘密にできますが、裏を返せば、遺言書の内容を公証人が確認していませんので、不明確な内容だったり、法律上無効となる恐れがあります。そうなれば、せっかく作った遺言が無駄になったり、遺言が不確かだったせいで揉めごとになったりしてしまいます。

また、自筆証書遺言と秘密証書遺言は、作成時点でその内容を本人以外に知られることがなく、プライバシーを守ることができますが、本人の死後に家庭裁判所で検認の手続が必要となります。
検認の手続は煩雑で、たくさんの書類を用意する必要があり、準備に時間がかかります。一般のお仕事をされている方でしたら、なかなか作業がすすまなくなってしまうのが難点です。
そういった検認の必要がないのは、公正証書遺言の場合だけです。

 

公正証書遺言を作成したいと思ったら

以上のとおり、法律上無効とされることは少なく、検認の手続も不要という点で、公正証書遺言は優れています。
もっとも、相続人調査、相続財産調査をしたうえで、遺留分に配慮しつつ遺言の文案を作成することは、簡単なことではありません。また、公証人と協議して文案をすり合わせる作業も、慣れない方にとっては大変だと思います。
当事務所にご依頼いただければ、文案の作成から公証人とのやり取りまで、公正証書遺言にかかる手続の大部分を弁護士に任せることができます。
公正証書遺言を作成したいと思ったら、ぜひ当事務所にご依頼ください。